2009年 今年の落語総括



これから一之輔さんの「下北のすけえん」に行きます。それが今年の落語納めになりますが、それを除いた2009年の落語活動はこんな感じでした。


・今年出かけた寄席&落語会の数 147
・今年聴いた落語 582席   (※12/30現在)


去年は152回出かけてました。今年は仕事のためにキャンセルした会が毎月いくつかあったから、大分減ってるはずと思っていたのですが、そうでもなかったな。でも、去年聴いた落語は775席で、出かけた回数がそんなに減っていないのに聞いた落語の数に200近く差があるのがちょっと解せない(集計間違ってたりして)。たぶん寄席に行く回数が減って、談志ひとり会みたいな(落語2席だけとかw)会が多かったからじゃないか?と思います。


誰をよく聞いたかも集計してみました。


1.立川志らく 55席
2.春風亭百栄 30席
3.柳家喬太郎 28席
4.立川志の輔 27席
  桃月庵白酒 27席
  柳家三三 27席
7.春風亭一之輔 23席
8.春風亭昇太 22席


志らく師は、ピンは毎月必ず、独演会もなるべく行くようにしていたから、やはり突出しています。本当は下丸子、三鷹の井心亭、にぎわい座の百席にも行きたいくらいなんですが、会場が自宅から遠いのと、他にも聴きたい人が聴けなくなっちゃうんで、セーブしています。志らくさんは来年もこのくらいになりそう。
他に意識して聴いていたのは白酒師と一之輔さんですが、思ったほど数が多くないのは、お二人の会は仕事とぶつかってキャンセルすることが結構多かったから。
意外に多かったのは百栄師と三三師。お二人目当ての会にも行ったけど、寄席や他の方の会のゲストでお目にかかることが多かったのかも。
今年は、当初、談笑師と花緑師をもっと聴くつもりだったのだけど、結局あまり聴きませんでした。途中から白酒師と一之輔さんを追い始めてしまったからです。


今年観た人たちの中で良かったのは志らく師と喬太郎師です。今年はこの二人の高座で何度となく唸らされました。ホントに充実していたと思う。


立川志らく
志らく師は、上手いとか面白い以上に、落語に対する姿勢がカッコいい。落語に真摯に取り組んでいて、どんなに完成度が高くてもそこに決して満足しないところが凄い。「中村仲蔵」「芝浜」「たちきり」など、観るたびに変わっていて、どんだけ満足しないんだ?と呆れるくらい。
今年の志らく師の印象的な高座をあげると…
中村仲蔵』(3/17立川志らく独演会@銀座ブロッサム
この後何度も高座にかけて、どんどん変わっていった仲蔵だが、印象の強さでいうと、一番最初に観たこの高座が一番。あくまでも“落語”として語り聞かせる五段目のシーンが見事でした。志らく師の3月のブロッサムは毎年素晴らしい高座が観れる楽しみな会で、来年も期待している。
『たちきり』(4/13志らくのピン)
この前の月(3月)に、志らくさんは『たちきり』をやっているのだが、そこからガラッと変わっていた。「こうすればもっと良い」と気づくと、ためらいなくどんどん変える、このフットワークの軽さが素敵。
この日のピンでは、他に『鮑熨斗』『花見の仇討ち』をやって、それらもとても面白かった。
『疝気の虫』(7/7 志らくのピン)
これを観てしまった以上、フツウの『疝気の虫』ではもう笑えないと思いましたw
まだ観てない人に絶対観てほしい。
『笠碁』(7/19 志らく一門会)
志らく師は、当初『抜け雀』をやるつもりで高座にあがったそうですが、マクラが長くなったので突然『笠碁』をやることにしたのだとか。だからこの日の『笠碁』は全篇ほとんどアドリブだったそう。二人の老人の会話がとっても自然だったのは、登場人物の気持ちがすっかり入って、自由に喋ってたからなのか。大笑いしながら、なんとも温かい気持ちになる『笠碁』だった。


柳家喬太郎
意識して追ってはいなかったが、今年の春あたりからだろうか、喬太郎師に“腹が据わった”といった印象を受けるようになった。そこからは凄かったなぁ。喬太郎師の高座にはほとんどハズレがなかった。あまり観ていないので、他にもコレ!という高座はあるでしょうが、自分が観たなかで特に良かったのはこのあたり。


『次郎長外伝 小政の生い立ち』(3/3 三三 背伸びの十番)
『心眼』(4/12 一本柳道中双六)
創作落語(タイトルなし)(6/27 柳家喬太郎 横浜開港150周年記念独演会)
『死神』(11/17 瀧川鯉昇柳家喬太郎二人会 古典こもり 銀座篇)
俵星玄蕃』(12/12 柳家喬太郎独演会 師走、忠臣蔵にて御機嫌伺い候 夜の部)


鎌倉の『文七元結』、11月以前の『死神』も観たかったなぁ。
こうしてみると、創作あり、講釈ネタあり、古典あり…と改めて喬太郎師が手がける落語の幅の広さに感心します。怪物だなぁ。


志らく師と喬太郎師は46歳、世間一般的にも男盛りのお年頃ですが、お二人とも落語家としての魅力、上手さ、面白さがますます増しているような気がする。来年もこの二人はしっかり観ようと思う。とても楽しみです。


桃月庵白酒春風亭一之輔
この二人は、とにかく面白かったなぁ。一之輔さんなんて、一年前は大晦日にのこのこ独演会まで行くようになるとは思わなかったよw この二人も来年も観ます!今年、面白かったのはこんな高座。


白酒師は『替り目』『転宅』といった何度も聞いているネタがやっぱり良くて、コレというのを選ぶのが難しいのですが、あえて選ぶとコレですかね。
金明竹』(8/31 第28回読売GINZA落語会)
『宗論』(12/24 鈴本お笑い師走会)
白鳥師との会でやった白酒版『メルヘンもう半分』を観られなかったのが痛恨!


一之輔さんはコレ!
初天神』(5/31末廣亭余一会 文左衛門・喬太郎二人会)
『蛇含草』(7/28 らくごカフェに火曜会)


その他
他に良かった高座はこんな感じ
柳家喜多八『首提灯』(2/18浜松町かもめ亭 喜多八・白酒二人会)
瀧川鯉昇『千早振る』(4/4 第13回特選落語会)
立川志の輔高瀬舟』(6/21 志の輔らくご 21世紀は21日)
立川談笑『子別れ』(9/20 立川流特撰会 立川志らく立川談笑二人会)
柳亭市馬『らくだ(通し)』(10/19 柳亭市馬立川談春二人会)
立川こしら『壷算』(11/11こしらの集い)
柳家小三治『百川』(12/9 柳家小三治独演会)


それから、落語ではありませんが、6/13「柳家小三治一門会 夜の部」の公開稽古は印象に残ります。あれは観ることができて本当に良かったです。


一時と比べると、落語に行く回数は少しずつ減っています。行きたくないワケではなく、忙しくて行けなくなってきているのですが、そうなるとハズレたくない!という気持ちが強くなってきて、いままで聞いたことがない人や面白いかどうか分からない二つ目を試しに聴くということをあまりしなくなります。新しいモノ、面白いヒトをなかなか自分でみつけられないのがちょっと悩みです。
でも、今年は落友の評判を聞いて立川こしらさんを聴くようになりました。彼はアタリでした。落友は本当にありがたいですw


来年もこんな感じで落語とつきあっていくと思います。
落友の皆様、ブログとかmixiとかツイッターとか、ネットだけで存じ上げているカオを知らない落語好きの皆様、皆様のおかげで楽しい落語活動でした。有難うございます。
来年もどうぞよろしく!