春風亭百栄 真打昇進披露目…っぽいね。



11/24(月)19:00〜21:15くらい@内幸町ホール
開口一番 三遊亭玉々丈 『酒粕
林家きく麿 『金明竹』(博多弁バージョン)
春風亭百栄 『時そば
春風亭栄枝 漫談
三遊亭円丈 『蝦蟇の油』
仲入り
口上 きく麿(司会)・栄枝・百栄・円丈
春風亭百栄 『つっこみ根問』〜『マザコン調べ』



恩田えり師匠と一緒にやってきた百栄師匠は、今日は列の先着50名様に塩キャラメルを配った。しっかりいただきました。


百栄師匠は今日も面白かった。最後の『マザコン調べ』は、マキヒコママの啖呵を噛みませんように〜と祈りながら聴いてたんだけど、噛まずにちゃんとできました、良かった良かった。そうそう、この時の出囃子は『ひと夏の経験』でした。出囃子、百恵ちゃんヒット曲を定番にしちゃえばいいのに。


百栄師匠の時そばは初めて聴いた。これもとっても良かった。ベースは小三治師匠の型らしい本寸法の『時そば』で、所々に百栄ならではのおっかしーギャグが入って笑える。


前夜見たぷちサギを真似しようとする男、蕎麦屋を呼び止めるんだけど、蕎麦屋は必死で逃げる。
蕎麦屋「変質者かと思って…」
男「いいんだ、いいんだ、オレどっちかってゆーと変質者だからよ」
“どっちかってゆーと変質者”って!(笑)
男は昨夜から風邪ひいたみたいだから熱い蕎麦が食べたいと言う。風邪をうつされたくないもんで、蕎麦屋は男を露骨にイヤがって「えぇ〜こっち寄らないでもらえませんか?」って“えんがちょ”しながら言う。客にえんがちょするなよ!(笑)。


この蕎麦屋がお祖父さんの代からやってると聞いて、男「お前んとこ、どんだけ出世欲がないんだよ!三代続いて夜鷹蕎麦って!」。“出世欲がない”っていう指摘は新鮮だわ〜w
贔屓にしてやると言われた蕎麦屋は「どうぞ、ご贔屓に!」ってとっても嬉しそう、あまりの期待感の高さに男はひく。「そんなには(贔屓に)できないから、そんなには!」
待てど暮らせど蕎麦は出てこない、間がもたなくて、男は蕎麦屋に尋ねる「マガジンない?」・・・
期待されて「そんなにはできない!」って弱気になっちゃうとか、時間つぶしに『マガジン』読みたいとか、百栄師匠のこういうセンスが大好きだ。思いもよらない方向から面白さがふってくるっていうんでしょうか、いつも驚かされる。着眼点が独特っていうか意外っていうか、ホント凄いよ。


出された丼のあまりの汚さに、男は「洗ってないだろう?」と蕎麦屋を問い詰める。すると蕎麦屋アゴを突き出して「洗いましたぁー!」。この蕎麦屋、小心者で卑屈っぽいくせに時々逆ギレするのだ。男も男で、逆ギレされるとアッサリ矛を収めちゃうので可笑しい。「わかったよ、そんなに言うなら洗ったんだよ」
百栄師匠の落語の登場人物たちって、小学生の男の子みたいだなぁ(あ、そこが昇太さんと似てるな。だからわたし、2人が好きなんだな。今気づいた)。


ようやく念願の一文をかすめる段になって、男「おい蕎麦屋、銭が細けぇんだ、手ぇ出せ」、蕎麦屋「えー!」って嫌そうにまた指がえんがちょの形だ(笑)。
男「おい蕎麦屋、今なん刻だ?」
蕎麦屋「へい、四つで」
男「いつ、むぅ、なな、やぁ…ってオチはフツウなのね!」
ってサゲに吃驚して笑ってしまいました。いいなぁ、百栄ちゃん!