第四回 栄助・天どんの会





2/2(土)18:30〜20:50@下北沢「劇」小劇場
三遊亭天どん 『占い当たらない』
(?)※タイトル違ってるかもしれません。
春風亭栄助 『コンビニ強盗』
休憩
三遊亭天どん 『ぺたりこん』
春風亭栄助 『寿司屋水滸伝





今日は、お二人の会によく行ってるファンにはおなじみの演目だったのかもしれない。わたしは天どんさんの二席と栄助さんの『コンビニ強盗』は初めて聴いた。


天どんさん 最初にやった新作は、占いが必ずハズレる占い師と、その占い師にムリヤリ未来を占われる男の話。この占い師、「“必ずハズレる”から、“必ず占いの結果と反対のことが起きる”」という理屈で未来を予言する。占い師が水晶玉に手をあてるとバチッと掌にショックがあって、未来の画が見える(天どんさん、翁家和助さん作のマリを持ち出し、水晶玉に見立てて演じておりました)。男が「結婚できるかどうか占って欲しい」と頼むと、結果は「結婚できない」→(つまり)「結婚できる」。男は大喜び。しかし、占い師は更に水晶玉に手をあてて「幸せな結婚生活が見えるよ」。要するに、結婚できるけど幸せにはならないっていう占いだった…というお話。“占いの結果と反対のコトが起きる”っていうのがちょっとややこしかった(タイトルはたぶん『占い当たらない』だと思うのですが、違っていたらご指摘下さい)。


『ぺたりこん』は円丈師匠の作品。会社の机に手がくっついてとれなくなってしまった窓際会社員の悲哀を描くシュールな新作落語。これは円丈師で観たいと思った。たぶん、こういうシュールな話を円丈師が熱演すると凄みが出るんだろうなぁという気がする。


栄助さん『コンビニ強盗』 深夜のコンビニ。立ち読みしていた所持金1,000円のビンボー男がコンビニ強盗をやろう!と決意する。しかしこの男、いたって弱気。商品のT字カミソリを手に取りレジに向かうが「ごっ、ごっ、ごっ、ごっ…」って、“強盗だ!カネをだせ!”の第一声が出ない。でもって強盗と店員の二人が向き合うレジに、次から次へと客が来て買い物をしていく。店員は強盗と交渉しつつ、客の相手をするのだった「わー強盗だー。…お客様、780円です。1,000円お預かりします、ハイおつり220円です。えぇ、なんでもありません有難うございましたー。…で、いくら欲しいんですか?」。
空腹の強盗にコンビニの新製品「キム兄のまかない弁当」をすすめる店員(この商品名を聞いてピンと来たヒトは立派な栄助ファン。そう、このコンビニ、『状況説明窃盗団』の泥棒3人が盗みに入ったデパートの向かいにあるコンビニです。どんだけ泥棒の多いエリアなんだ?)。
二人のやりとり、強盗が所期の目的からどんどんズレていくサマが可笑しい。結局、コンビニの被害は、強盗にムリヤリ仕入れさせられた「コメッコ」10ケースでした。


『寿司屋水滸伝 これ、何度聴いても面白い。性格悪くてすぐに逆ギレする寿司屋の若旦那がますます面白かった。栄助さん、この日はマクラでロスの寿司バーで働いていた時の話をしたのだが、この話もとても面白かった。寿司バーではいろんな人種の店員が働いていたが、メキシコ人が多かったそうだ。ケラシオというメキシコ人の男がいて、コイツがとっても手癖が悪かった。店で何かがなくなると、皆、真っ先にこの男を疑う。栄助さんも煙草とライターがなくなって彼に「知らない?」って尋ねてみた。すると彼は、私物入れの箱から「落ちてたよ」って日本語で言って返してくれたそうだ。この箱、店の人たちから“ケラシオの箱”と呼ばれていたそうです。「『寄合酒』の与太郎みたいなヤツなんです」。栄助さんにはこういうエピソードがもっといろいろありそう。




※ブログの体裁を変えてみました。始めてからそろそろ1年、ちょっと変えてみようかな?と。ま、内容は相変わらずです。これからもどうぞよろしく。