4/9 月例三三独演

@内幸町ホール 19:00〜21:00


「錦の袈裟」
「星野屋」
仲入り
「お若伊之助」
(全て三三さん)


今回のパンフレットは…
「えーと、先月『やすらぎのある高座を』ってなコトを申し上げたはずなんですが…。
なんか無理みたい。
とりあえず『しゃかりきで、かつ押し付けがましくなく』
そんな線で行ってみようかな、と。
そのかわり寄席ではやすらいでます、ハイ」
ご挨拶どおり、三三さんらしくてシャキッとした高座だったなと思いました。


今回のネタおろしがどれだったのかチェックし忘れたのですが、
三三さんは、ネタおろしをする時のことを
「頭の上に水がいっぱい張ったたらいをのせて座布団に座る。で、そのたらいを傾けて中の水をザァーーッと全部あける。そうやってあけちまうとホッとするんだけど、楽屋に戻ると全部忘れてるンです」と言ってた。
そんな風にネタを覚えては高座にかけ、覚えてはかけ…ってやってるようには、とても見えないところが三三さんらしい。
先月の池袋演芸場の余一会の「三軒長屋」もネタおろしだったそう。無事終えた後はホッとして打ち上げでたくさん呑んで、呑んだら頭が冴えて眠れなくなって、翌日目が覚めたら10時過ぎ、その日は12時半から名古屋で落語会(メンバーは談春、吉坊、三三の仲良しトリオ)で本当に青くなった。でも間に合った…というところも、さすがだわ。Cool!


余一会の話は、他にもいろいろしてくださったのだけど、あの時よかったなと思ったさん助師匠の踊りは「夕暮れ」別名「おしの釣り」というのだということが分かってちょっと嬉しかった。寄席でさん助師匠は長い間あの踊りを擦り切れかかったテープで踊ってて、余一会では何十年ぶりにナマの三味線と唄で踊ったのだそうです。「下座にあわせて師匠が踊るのを見たのは、自分も初めてです」ということで、三三さんにとっても印象的なさん助師匠の踊りだったようです。


「お若伊之助」初めて聴きました。お若が良かったです。しどけない長襦袢姿で伊之助を想ってため息をつく場面、竹久夢二美人画みたいなきゃしゃでなよっとした娘が浮かびました(あの体型の三三さんがやるんだから、そりゃねぇってことはあるんだけども)。三三さんのやる“いい女”が出てくる噺というのは、本当に綺麗な画が浮かぶから好きです。


それから「星野屋」。これは三三さんとはあんまり関係ないのだけど。
この噺、何回か聴いたのですが、いつも苦笑い。自分はあんまり好きな噺ではないんだなぁと分かった。
愛情とゆーのは、測ったり試したりしてると、どんどん失われていくものではないかね?試したりしないでさっさと後添いになおしてあげればいいのに。そしたらお花の愛情はホンモノになったかもしれないのに。…とかとか聴きながら思ってしまいますのだ。


三三さんの会は、あんまり聴いたことがない噺が聴けるからいいな。次回も行きたいです。


※事務所のミスで6月と7月の会場おさえてなかったそうで、日程が変更になったそうです。
 6/8→6/6 7/13→7/11 だって
(三三さんに「皆様、メモの用意はよろしいですか?」って言われて、思わず素直にメモしてしまったので、せっかくだから書いとく)。