末廣亭中席・さん喬「芝浜」&四派で深夜

『四派で深夜』
五街道弥助 「あわび熨斗」
三遊亭神楽 「釜泥」
立川笑志 「短命」
三笑亭朝夢 「天狗裁き


予想外に早く行けたので、今日のメイン(のつもりだった)「四派…」の前に夜の部トリのさん喬師匠を聴くことができたのですが、それにやられてしまいました。

「芝浜」
この噺で初めて泣いた。
あんな可愛い女房は初めて。うわっ!可愛い!と思ったら、だーーーっと涙が出ていた。
まさかこの噺で泣くとは思っていなかったので、余計。

今まで聴いたことのある「芝浜」の女房は、すごくしっかりした賢い女って感じで、えらいなぁと思うけど、それだけだった。でも、さん喬師のは、泣きそうになりながらしっかり者の女房やってる女で、その背伸びの健気さがいとおしくて泣けた。

でも、泣けたのは、さん喬師の噺が素晴らしかったせいというよりも(いえ、もちろん、師匠はすごいのですけど、昨夜特に力を入れてやったからという意味ではなく…ってことです)、昨夜の自分には、どこかに女房の姿に共鳴するようなモノがあったのかもしれないです。なんにしても、これだから落語ってどんな噺も油断できない、面白い。しかし、この噺で泣くなんてなぁ…と、自分に呆然の夜だった。

※ついでのようで申し訳ありませんが、「四派…」もよかったです。笑志さんの「短命」、察しの悪い八っつぁんが可笑しかった&出演者全員でお出迎え&お見送り、嬉しかった。