それぞれの「長屋の花見」

国立演芸場 18:30〜20:35


幕が開いたら、市馬、白鳥、喬太郎の三師が既に座布団に座っていた。
オープニングは「長屋の花見」にまつわる四方山話。

長屋の花見」はもともとは大阪の噺で、三代目小さん(漱石ご贔屓のひと)以来、柳家お家芸的なネタなのだ…というような解説を喬太郎さんがなさった(喬太郎さんて、なんかいつもこーゆー役割なのな)。いろんな師匠たちの「長屋の花見」がどんな感じか、なんていう話もきけて(昨年なくなった小せん師匠の「長屋の花見」は、師匠のフラに合ってて良かったよね、と喬太郎&市馬師匠は語り合ってた)、お勉強にもなりました。
せっかくこういう会だから…と、喬太郎さんがお囃子のお師さんに頼んで「元禄花見踊り」をやってくだすった。これは円楽師匠の出囃子だそうですが、これにのって円楽師が出てくることは、もうないのですねぇ。

各人の持ち時間はだいたい30分くらい。
最初の市馬師は、ごく正統的な(…たぶん)長屋の花見で、下げは酒柱。

次の喬太郎さんは、その下げの続きをさらっとやって見せてくれた。そして扇喬師匠にこの噺を習った時のエピソードなんかの後、噺に入った。
場面は、近未来の日本と、あの花見から半年経った江戸時代の長屋を行き来する。
近未来の日本は北朝鮮の占領下で落語禁止令がしかれています。そして、この頃の地球は、衛星の月を失くしています。一方、江戸のあの長屋。大家さん以下長屋の住人は、あの貧乏花見の責め苦が忘れられないMなヒトたちになっていて、半年経った今、梅酢でそめたこんにゃくのマグロと泥の団子を肴に“変態長屋の月見”が繰り広げられようとしていた…。
妖星ゴラスは登場するわ、手ぬぐいを使ったワープ航法の解説はあるわ、“喬太郎版SF長屋の花見”って感じの噺でした。おもしろかったよー!

最後は白鳥さんの“メゾン長屋の花見”。
ご自身が、貧乏な前座時代に住んでいた池袋の安アパートの住人たちがモデルらしい、怪しい人物たちが登場します。

三人三様の噺を聴けるちょっと変わった趣向を軽く楽しめる会でした。で、この会場は自宅から25分くらい(地下鉄にはのるけど)。終わってウチに帰ってから晩御飯作って、ふだんよりちょっと遅いくらいの時間に食べました。いいな、こーゆーの。落語が、イベントではなくて、こーゆー感じで生活の中にあるといいなと思います。

その他もろもろ
●次回は7/17「それぞれの『お菊の皿』」。春団治師匠のが好きです。喬太郎さん以外の二人は初めての噺だそうなので、これも行きたいなぁと思います。
●今朝の5/19朝日名人会のチケット、本当に秒殺でした。チケぴを立ち上げて準備万端ととのえてたのですが、つい仕事してしまって気がついたら10時になってた。大急ぎで席種と枚数入力したんだが、Enter押したら「ご希望の枚数をご用意できませんでした」だって。戻ったら既に予定枚数終了。時計見たら1分経ってなかった。すごいねー。でも、電話で頑張った知人のおこぼれに預かり、なんとか行けることになりました。